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『フランス風序曲』ロ短調BWV 831は、『イタリア協奏曲』BWV 971とともに『クラヴィーア練習曲集』第2巻として1735年に発表されたヨハン・ゼバスティアン・バッハの鍵盤楽曲。『フランス風序曲』という呼び名は、作品全体が大々的な序曲に始まる管弦楽組曲の構成に倣っていることに由来し、正式には『フランス様式による序曲』()という。『イタリア協奏曲』ともども2段鍵盤式チェンバロのために作曲された。 『フランス風序曲』は、当初はハ短調で作曲されていた。だが1735年の出版に向けてバッハはロ短調に移調し、第1楽章のリズムなど、多少の変更も施した。移調の理由は不明である。想定されるのは、『イタリア協奏曲』との対比である。『イタリア協奏曲』のヘ長調はフラット調で、ロ短調はシャープ調であり、ヘ調とロ調の主音は互いに三全音の音程があり、すなわちヘ調とロ調はもっとも遠い調と見なされるからである。しかもヘ長調とロ短調は、長調と短調という対照もなしている。ほかに考えられる動機としては、『クラヴィーア練習曲集第1巻』(パルティータ)ではヘ調とロ調が使われなかったので、それを第2巻で埋め合わせんとの発想だったのかもしれない〔 Programme notes for recording by Lucy Carolan〕。 『フランス風序曲』は以下の楽章からなり、全曲を通奏すると30分程度を要する。 # 序曲 Ouverture # クーラント Courante # ガヴォット Gavotte I/II # パスピエ Passepied I/II # サラバンド Sarabande # ブーレ Bourrée I/II # ジグ Gigue # エコー Echo 『フランス風序曲』の様式は、組曲形式による作品を出版していたフランソワ・クープランのような作曲家の作風を参照しており、クープランらは、独奏楽器でも、またアンサンブルでも演奏できるような組曲を作曲していたのである。バッハの作品は、チェンバロ独奏曲でありながら、参考にしたフランスの作曲家の慣習に比べて、より充実した響きを用いている〔http://www.music.qub.ac.uk/tomita/bachbib/review/bb-review_CU2facs.html〕。 == 註 == 〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フランス風序曲 (バッハ)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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